スタッフアドバイザー 「実務トラブル」 2012.03

掲載紙
スタッフアドバイザー
掲載日
2012年3月

「スタッフアドバイザー  2012年3月号 新実務トラブルあなたなら…」に弊社代表上村のコメントが掲載されました。

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記事全文

ある資格試験を受けるようにと上司から言われています。会社のとっても入札時に有利になるなどメリットがある資格です。1回目の受験費用(およそ7,000円)は会社が出してくれたのですが、試験に落ちて2回目以降の受験料は自分で負担するように言われました。これってありでしょうか?

資格は、その人の技術や技量を証明するものです。当然、会社の業容で有資格者が必要な場合もあり、今回はそのケースに近いのでしょう。会社からの指示や勧めで取得する場合は、「受験費用を全て会社が負担するべき」という考え方はもっともかもしれません。

他方、資格はその人「本人」に帰属するものです。「資格保有者が多くいる会社」=「有能な人材が多くいる会社」という組織の価値向上は間違いなくあります。しかし、資格保有者が退職すれば、資格は会社に残りません。転職する際にも、資格は自分自身に有効に使うことができるでしょう。そう考えると、たとえ業務上必要な資格とはいえ、「受験に関する費用は本人が全額負担するのが妥当」とも思えます。それに今回この資格を取得することで、この方は社内のステップアップや昇給に繋がるかもしれませんし、社会的価値が上がることは間違いないでしょう。

線引きが難しいように思えますが、昨今の日本の経済事情と併せて考えると、答えを導けると思います。

「会社が全て丸抱えで面倒みてくれる」時代はすでに昔のこと。現代は、自分に投資して自己研鑽しないとビジネスシーンから取り残されます。業務上必要な資格や技能でも「会社がお膳立てしてくれる」のを待っているだけでは、チャンスを逃してしまいます。そう考えると1回目の費用は会社、2回目以降は本人負担という今回のケースは妥当なところだと思います。

不確定要素の多い現代において、自ら勉強し資格を取得することは、確実なセルフブランディングの手法です。資格も単体ではなく関連するものを複数持つことで、あなたの知識見識の深さ、考え方、これまでの歴史を語ることも可能です。

「資格」というツールを有効活用し、あなた自身のステップアップ、そしてブランディングに役立ててください。